子どものこころ    ~読売新聞より~

山出拾雄

2008年02月21日 02:19

皆さん、こんにちは。

ご覧になった方もおられるかもしれませんが...
読売新聞の くらし 教育面 に、「子どもの心」という
コーナーがあります。
最近、子どものこころ にゴミ拾いについての記事が
載っていました。ちょっといい話だったので、
ご紹介しようと思います。



▼子どもの心

小学校で ごみ拾いと心のスイッチ

 知的障害児らが通う特別支援学級を3年間、担任していた。
その学級のA男と、校外学習として校区内をよく歩いた。

 普段は車で通る道も、歩くとゴミが落ちていることに気づく。
空き缶、ペットボトル、紙くず、たばこの吸い殻……。だが、なかなか手が出ない。
「よし、今日こそ拾おう」と思っても、自分で自分に言い訳をする。
「今日は、ゴミを入れる袋を持っていないから」「傘を差しているから」

 恥ずかしながらゴミを拾い始めたのは、A男と歩きはじめて2年半もたったころだった。
それからはゴミ袋を持参し、A男とゴミを拾い続けた。A男は、ゴミは拾えない。
が、見つけると私に短い言葉で知らせてくれる。

 次の年、6年生を担任した。ある日の朝の会で、子どもたちに「先生は道のゴミを拾うまで
2年半もかかりました」と、正直に話した。翌日、朝のあいさつのため校門に立った。
次々と子どもたちが登校して来る。その中で6年生の男の子3人が、「先生、ゴミを拾ってきました」と、
笑顔で語りかけてきた。子どもたちの手には空き缶があった。

 私は、とても驚いた。大人の私は、ゴミを拾うのに2年以上かかったのに、
子どもたちは、なんと1日で心のスイッチを入れたのだ。
子どもの素直な心をみた思いがした。

 それからも、子どもたちは、登校中にゴミを拾い続けた。あるお母さんから、こう言われた。
「幼稚園児のうちの子は、遊びに行くとき、袋を持って行きます。理由を聞くと、『6年生の
おにいちゃんがゴミを拾っているから、私も拾うの』と言っています」。
こうして、校区を美しくする動きが広がっていった。

 その1年間、子どもたちや教職員で、1000個以上のゴミを拾った。
子どもたちの素直な心が周りのみなさんの心のスイッチを入れたのだろう。(兎)




 筆者は、小学校の男性教諭です。

(2008年2月11日 読売新聞)



この話には  があります。
 は もっといい話です。

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